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元SF小説家・春橋哲史のブログ(フクイチ核災害は継続中)

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2014.05.01
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 4月からの「傍聴ラッシュ」は続いています。経済産業省で2つの会議を傍聴しました。

汚染水処理対策委員会(第12回)/4月28日

総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会 放射性廃棄物ワーキンググループ(第8回)/4月30日

 今回は、汚染水対策処理委員会で配布された資料等に基づいて書きます。

資料5 汚染水貯留タンクの増設計画・リプレース計画について

 この会議で、汚染水の貯留容量に関する質問があり、東京電力・福島第一廃炉推進カンパニーの松本純バイスプレジデントは、大要、次のように答えていました。

1.貯留タンクは、「原子炉建屋からある程度の距離を取り」「複数タンクが設置できる区画」に設置している。

2.上記条件でタンクを設置していくと、タンク容量は約89万tが限度となる(上記資料3頁)

3.今後1~2年でタンク容量が逼迫する事態ではない。

 更に、当日配布された資料によると、

4.現在、タンクの新規設置を行っているJエリア(J1~5)が、新規エリアとしては最後の敷地(上記資料13・14頁)

5.8月以降、フランジ型(ボルト締め)タンクの撤去・解体を進めていくが、撤去したタンクの置き場は検討中(上記資料21~25頁)

 とのことでした。

 私は、以上の情報と、公開された情報に基づいて計算してみました(千単位以下は四捨五入)。

 4月22日時点の貯留量が約46万t(出典・第8回トリチウム水タスクフォース⇒ 参考資料2の13頁)。13年12月24日時点の貯留量が約40万t(出典・東京電力⇒ 高レベル滞留水の貯蔵及び処理の状況【H25.12.24現在】/添付資料1の右上)。月平均約1.5万tの増加です。東電の計画通りに貯留容量約89万tが実現できたとしても、このペースで増加すると、28~29ヶ月後には約89万tに達します。2016年夏~秋頃です。

 遮水壁は作られるかどうか分からず、作ったとしても効果が出て来るのは1年後ですし、悪い意味での効果が出て来る場合も有ります。梅雨や台風での降雨量も予想できません。松本プレジデントの言うように、「今後1~2年」は大丈夫かも知れません。でも、その後は? 私は、計算してみて、愕然としました。

 資料の片隅には(「福島第一原子力発電所における汚染水対策に係る技術公募の活用・検討状況」の2頁)、「タンカー・地下貯蔵等に係る諸問題への対応の可能性」という文言も有りました。ですが、そんなことをしても、問題の先送りですし、タンカー方式を採用するにしても、乗員の確保等、問題山積みでしょう。

 そもそも、次の地震や津波で、タンクが破損したり、敷地が施行不能になったらどうするのか? 津波対策は心許ないもので、原子炉建屋への水密扉の設置は「平成26年度下半期」で、防潮堤の再建は「検討課題」となっています(資料「廃炉・汚染水問題に関する予防的・重層的な追加対策」の8頁)。効果不明確な凍土遮水壁にリソースを割くより他にやるべきことがあるでしょう。

 更に指摘したいのが、撤去したフランジ型タンクの扱いです。「置き場所は別途検討」となっていますが、放射性廃棄物ですから、フクイチの敷地内に保管することになるでしょう。305基のフランジ型タンク全てを撤去・分解して、敷地内に積み上げたら、どのくらいの容量になるのか? 固体廃棄物の保管容量が逼迫することになりはしないでしょうか? 「タンクのリプレース(更新)を進めて、液体廃棄物の保管容量は確保できました」、でも、「固体廃棄物の置き場が逼迫しました」なんてことになったら、目も当てられません。

 フクイチは、ゆっくりと、しかし確実に、破綻に近付きつつあるように見えます。28日の会議を傍聴して、私は一時的に気分が悪くなりました。

 最後に、凍土遮水壁について。

 規制委員会から提出された凍土遮水壁に関しての質問事項(「凍土方式遮水壁による汚染水対策に関する東京電力(株)への質問事項」)も配布され、4月18日に規制庁で傍聴した「第20回 特定原子力施設監視・評価検討会」と流れが繋がりました。東京電力が、5月2日の「第21回 特定原子力施設監視・評価検討会」で回答するとのことでした(会議は予定通り開催されました)。

春橋哲史(ツイッターアカウント:@haruhasiSF)

※ 5/8 タンク容量の逼迫時期に関する計算を改め、資料へのリンクを追加。文章の一部を簡略化。5月2日の会議については別記事を書く予定。






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Last updated  2014.05.08 19:35:03
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